一歯テーパードインプラントでの骨頂増加と関連した要素。非ステロイド系抗炎症剤の作用

Factors Associated with Crestal Bone Gain on
Single-Tooth Locking-Taper Implants:
The Effect of Nonstereoidal Anti-Inflammatory Drugs
一歯テーパードインプラントでの骨頂増加と関連した要素。非ステロイド系抗炎症剤の作用
著者:Rainer A. Urdaneta 等
目的
一歯インプラント周囲の骨頂増加と関連した要素を見つけ出すこと
Biconインプラントを埋入した患者にて、インプラントを一歯補綴で修復した後の骨頂増加とは、どの要素が関連しているのか?
本研究の具体的な目的は、最終修復物を装着した日から、その後の骨頂レベルをレントゲンにて観察し、様々な局所的要素、並びに全身的要素とインプラント周囲骨との何らかの相関性を確立し、評価することにあった。
本論文では、Biconインプラントの最終修復後における骨頂増加と、統計的有意の相関関係にあることが発見された要素を提示し、非ステロイド系抗炎症剤(NSAIDs)の毎日の接取と、インプラント周囲骨増加との相関性について、特に検討をおこなった。
材料・方法
2001年7月から2003年8月にかけて、the Implant Dentistry Centre,Boston,Massachusetts にて、1本以上のBiconインプラントを、セメントレス補綴(Integrated Abutment Crown,Bicon)で修復された患者集団に由来した。
患者等を2004年から2007年にかけて、後ろ向きに追跡した。
レントゲン上で、骨の状態を観察した。
結果
本研究には326本一歯Biconインプラントを伴う、81名の被験者を取り込んだ。
最終修復物装着後における、レントゲン像上のインプラント周囲骨レベルの平均的な近遠心的変化(AvBL)は70.7か月の平均期間後にて-0.33mmであった。46名の被験者の、81本のインプラントで、様々な程度の経時的な骨増加が、明白に示された。
修復後のインプラントに影響する骨頂の変化を定量し、90個以上の歯科要素、及び全身要素と、骨頂レベルの変化との単変量関係を、提示した。
NSAIDsを毎日服用していた患者に埋入したインプラント、対合歯が歯牙のインプラント、接着クラウン、並びに球状ベースの既製アバットメントで修復したインプラント、HAコーティングインプラント、そして5×8mmのインプラントではクラウンの装着後に骨が増加する可能性が、有意に高めであった。
次に、インプラント周囲骨レベルに対する、 NSAIDsの作用を評価した。 AvBLとNSAIDsの両方と相関関係にあった変数を、多変量分析に入れたところ、 NSAIDsが、インプラント周囲骨増加と、なおも有意の相関関係にあった
結論
クラウン装着後における、一歯HAコーティングインプラント周囲での、骨頂レベルの有意の上昇と、
NSAIDs服用は、相関関係にあった。
出典 The International Journal of Oral & Maxillofacial Implants