インビトロのインプラント周囲炎モデルにおける、グリシンエアーフロー適用の清掃性

著者:Philipp Sahrmann 
出展:COIR,24,2013,666-670
目的
異なるインプラント周囲炎欠損を模したモデルにて、インプラント表面に対する、グリシンパウダーブラスティングの可触性を調べること。
帰無仮説は、グリシンパウダーを利用する本実験のエアーフロー装置は全ての欠損タイプにおいて、適切なアクセスと完全な表面清掃を可能にする、とした。
材料と方法
透明のポリメタクリレートレジンを用いて異なる欠損形態を有する4種類の標準模型を特注した。欠損の高さは6mm、欠損の幅は、半全周性のインプラント周囲欠損を模しながら、インプラントの径(4ミリ)と一致していた。欠損と模型がなす開口角はそれぞれ90,60,30,15度であった。全粗造面上で視覚的に確認できる、プラークの堆積を模すため、色落ちしない油性のインクに長さが10mm、径が4mmのインプラント18本を浸して染めた。続いてこれらのインプラントを欠損模型に模型の上端とインプラントの粗造面が同じ高さになるようにしながら稙立した。エアーフロー装置とグリシンエアーフローパウダーを両パラメーターの最大セッテイング、つまりリキッドとパウダーで使用しながら欠損エリアの表面をサウンドブラストした。サウンドブラスティングは歯肉縁上用のハンドピースを6-8mmの距離から用いながら60秒間行った。清掃能力の測定は、3方向から標準化した状況下で関心エリアのデジタル画像を特注のフォトアタッチメントを利用しながら得た。研磨パウダーによってエアーポリッシングが到達した後にインプラント表面は再び灰色になり、潜在的に清潔と判断されるとの仮説を前提としてコンピューターは灰色のインプラント表面を、清潔と認識せねばならなかった。従って、色が残っていたエリアはパウダーが到達しなかったエリアに相当した。清掃されなかった表面の比率を、このソフトを用いながら平面上で調べ、全関心エリア上で全て測定を行った。
結果
90度、60度、30度および15度欠損の清掃されなかったアクセスできなかったエリアの中間%(IQR)はそれぞれ3%(6,A)8%(4,B)24%(8,B)50%(13,C)であった。この所見は欠損角度が小さいより狭い欠損ほど、より顕著であった。全ての欠損モデル内のインプラントに残存色素が残っていた。つまり帰無仮説は棄却された。残存色素の場所を調べるための、更なる分析によってスレッドの下部、つまり尖部エリアの方が上部、つまり骨頂エリアよりも清掃されていなかった表面の比率がより高かったことが示された。この相違は全ての欠損モデルで高度に有意であった。
結論
どの欠損モデルでも、インプラント表面を完全に清掃することは不可能であったが、アクセスが容易であった欠損では95%を越える大部分の表面を清掃できた。欠損角度が60度と90度であった広い欠損ではインプラントスレッドの下部のうち75%以上に対してアクセスすることさえできた。エアーフロー装置によって達成される結果をインプラント表面をデブリドマンするための、慣例的なテクニックによって達成される結果と比較するための対照付き研究が必要とされる。