著者:Yang-jin YI DDs
出展:J.Oral Maxillofac Implant 2013,28,1110-1115
目的:
2本または3本のインプラントによって支持されるスリーユニット固定式部分補綴物の臨床アウトカムを比較すること。生着率、成功率、辺縁骨喪失、合併症発生率、およびインプラント周囲軟組織指数を調べ、比較した。
材料と方法:
部分無歯の上下顎臼歯部に装着した、2本のインプラントによって支持される、スリーユニット固定式部分補綴物(群1)と3本のインプラントによって支持されるそれらの(群2)臨床アウトカムを比較するため、本後ろ向き研究を行った。被験者らは2004年3月から2010年3月にかけてSeoul National Univercity Bundang Hospital,でスリーユニット固定式部分補綴物のためのインプラントで臼歯領域を修復した患者であった。以下の状況を有していた患者も、本研究に取り込んだ。1喫煙、2不良な口腔習慣、3コントロール下にあった全身性疾患。インプラントの生着率と成功率を比較した。辺縁骨レベルの変化も調べた。上部構造の連結を調べるために、機能荷重時と荷重後1,2及び3年目にパラレリング法で得たデジタル化デンタルを利用した。荷重時に得た値と、1,2、および3年目の追跡観察時に得た値の相違を計算することで、辺縁骨喪失量を調べた。成功基準は、最初の1年間の骨喪失量は1.5mm未満、その後は年間0.2mm未満で、動揺、痛み、並びに末梢神経障害がないことであった。
結果:
生着率は両群で100%であり摘出したインプラントは皆無であった。群1では9本のインプラントでそして群2では、19本のインプラントで荷重後1年間で1.5mmを超える、そしてその後に、年間0.2mmを超える辺縁骨喪失が示された。群1の52.9±19.7ヶ月の平均観察期間後における生着率は82%で群2の58.5±22.0ヶ月の平均観察後におけるそれは86%であった。荷重後1年目の辺縁骨喪失量は、荷重後1年目2年目及び3年目の辺縁骨喪失量は群1の方がより多かったが、相違は統計的有意ではなかった。軟組織指数についてはプラーク指数は群1の方が群2よりも、有意により低かった。インプラント周囲のポケットデプスに関しては、頬側面でのそれのみ統計的有意に異なっていた。両群でコントロールできない合併症は起きなかった。群1の合併症発生率は4.17%で群2でもそれは3.79%と類似していた。インプラント周囲炎はキュレッタージとレーザーで治療し、破損した補綴物は修繕した。摘出を必要とする合併症はいずれのインプラントでも発生しなかった。
結論:
本研究の制限内で、臼歯領域で2本のインプラントによって支持される群にて100%のインプラント生着率が示され、成功率と合併症発生率は、3本のインプラントによって支持される群のそれらに、匹敵していたことが示された。性別、解剖学的位置、及びコネクションタイプに関係なく、2個の群は辺縁骨喪失の量についても類似していた。2本のインプラントによって支持される3ユニット固定式部分補綴物は、上下顎の部分的無歯臼歯部での信頼のおけるデザインであると見なすことができよう。