著者
Kyung-Soo Choi 等
目的
本研究の目的は、新しい実験用マイクロスレッドスキャロップ(MTS)インプラントの信頼性を、イヌモデルにて、異なるインプラント間距離での、隣接面の骨喪失を測定することで、慣例的なフラットトップ(FT)のインプラントと比較しながら、評価することにあった。
材料と方法
10匹のビーグル犬の下顎片側臼歯部に、MTSインプラントを埋入し、反対側に、慣例的なフラットトップ(FT)のインプラントを埋入した。5匹のイヌにて、それぞれ4本のMTSインプラントとFTインプラントを、インプラント間距離を2mmとしながら埋入した。他5匹では、それぞれ3本のMTSインプラントとFTインプラントを、インプラント間距離を5mmとしながら埋入した。70本全てのインプラントを(MTSインプラント35本、FTインプラント35本)、非粘膜下治癒法(一回法)で埋入した。インプラントの埋入から4か月後にイヌを屠殺し、レントゲン像上と組織切片上で、MTSインプラントとFTインプラント周囲の骨頂レベルを測定し、比較した
結果
レントゲン像上の骨頂喪失量は、実験用MTSインプラントの方が(0.81±0.34mm)、FTインプラントよりも(1.60±0.42mm)、有意により少なかった(P<.001)。組織学的測定でも、MTSインプラント周囲の方が(0.74±0.41mm)、FTインプラント周囲よりも(1.53±0.52mm)、辺縁骨喪失量は有意により少なかったことが示された(P<.001)。MTSインプラントでも、FTインプラントでも、2mmのインプラント間距離と、5mmのインプラント間距離は、骨喪失について統計的有意に異なっていなかった(P>.05)。
結論
新しいマイクロスレッドスキャロップインプラントの方が、慣例的なフラットトップエクスターナルヘックスインプラントよりも、隣接面の骨喪失量は有意により少なかったことが示されたと、本研究の制限内で言える。本イヌモデルでは、インプラント間距離は、両インプラントタイプで、辺縁骨喪失の主決定要因ではなかった。マイクロスレッドデザインを有するスキャロップインプラントは、繊細な隣接面の骨を保存するのに、有用でありうることが示された。
The International Journal of Oral & Maxillofacial Implants