著者
C.E.Bercher等
目的
本系統的レビューの目的は、0.2%のクロルヘキシジン洗口液と比較した時の、0.12%のクロルヘキシジン洗口液の、プラークとの歯周パラメーターに関する効果を、調べることにあった。
材料と方法
MEDUNE-PubMedと、the Cochrarne Central Register of Controlled Trialsを、(無作為)臨床治験とコーホート研究について検索した。第一アウトカムパラメーターとして、プラークスコア、歯周炎症のパラメーター、及び歯周付着喪失を選択した。
結果
409個の表題と概要を選別した後に、8本の適格論文が見つかった。
同じプラーク指数が利用された、7件の研究をメタ分析にかけたところ、0.2%CHXと0.12%CHXは、有意に異なっていたことが示された(p=0.008)。
Quigley&Heinプラーク指数(1968)に基づく加重平均差は、0.10であった(95%CI[0.03-0.17])(異質性I2=0%。p=0.87)。0.2%CHX製品と0.12%CHX製品が比較された3件の研究によって、歯肉炎症に関するデータが提示された。
これらの研究では、2種類の濃度のCHXは、歯肉炎に対する効果について、異なっていなかったことが発見された。2種類の濃度のCHXが比較され、プロービングデプス、または歯周付着レベルが調べられた研究は、発見できなかった。
結論
0.2%CHXと0.12%CHXの比較に関しては、歯肉炎症の効果についての情報は少なく、2種類の濃度のCHXが比較され、プロービングデプス、または、歯周付着レベルが調べられた研究は、発見できなかった。
プラークの抑制に関しては、小規模ではあったものの、有意の相違が結果より示され、0.2%CHXの方が優っていた。しかしこの相違の臨床的重要さは恐らく、微々たるものだ。
臨床的関連性
研究のための科学的論拠:プラークと歯肉炎を減じるのに、現時点で最も効果的な洗口液は、間違いなくCHXであり、それには0.12%と0.2%という、2種類の物がある。
主要所見
0.2%CHXと0.12%CHXは、Quigley&Heinプラーク指数に基づくプラークの効果について、小規模ではあったものの、統計的有意に異なっているが(0.10)、ここで利用できた限られた研究によって、2種類の濃度のCHXは、歯肉炎の軽減について相違ないことが、示唆されている。
実用的意義
選択するなら、0.2%濃度のCHXの方が、プラークの減少という点で、小規模ではあるものの、統計的有意に優っていることが、我々の結果より示唆されているが、歯肉炎の軽減という点については、それは示唆されていない。
しかし、0から5のポイント尺度デスクア付けした、0.10という相違の度合いが、臨床的に重要であるかは、疑問かもしれぬ。製品の性能に関して、臨床的に認識できる相違は恐らく、微々たるものである。
(2010 John Wiley 6 Sons A/S)