根面被覆のための歯冠側移動術のアウトカムに対して、縫合術が及ぼす影響。メタ分析

著者
Dimitris N.Tatakis等
出展
JP 2016,87、148-155
目的
歯冠側移動術(CAF)で治療した退縮欠損の根面被覆アウトカムに、縫合術(抜糸のタイミング、縫合材の種類)が影響するかを、調べることにあった。
材料と方法
CAFで外科的に治療された、単独歯MillerⅠ、Ⅱ級退縮欠損が評価された、無作為臨床治験(RCT)を求めて、データベース検索した。
焦点を当てた疑問,早期(く10日)の抜糸はCAFによって得られる根面被覆の量に影響するか?
吸収性の材料を使用して行うCAFの根面被覆アウトカムは、非吸収性の材料を使用して行うことCAFの根面被覆アウトカムと異なるか?
結果
焦点を当てた最初の疑問に答えるため、325個の単独GRに由来するデータを取り込んだ、混合効果線型回帰による関連データの分析を行ったところ、全体的に抜糸を、術後10日目以降に行った場合の方が、それを10日未満に行った場合よりもCRCが得られた部位の割合が、統計的有意に優れていたことが明らかとなった。
二番目の疑問に関しては、取り込んだ研究より抽出したデータを利用して、術後10日目以降に抜糸と行われた部位のアウトカムのみ取り込んだ、下位群分析を行うことができた。この分析によって、使用された縫合材の種類に基づく、CRCが達成された部位の数に関する有意差は示されなかった。
結論
CAFで治療された単独歯欠損の根面被覆アウトカムに、早期の抜糸(<10日目)は悪影響を及ぼしうると、利用可能なデータの制限内で結論付けることができる。
根面被覆治療で利用される縫合術を調査することに特化した研究が強く求められる。