骨統合インプラントの辺縁骨喪失と骨粗鬆症の関係。2年後ろ向き研究

著者
Jose R Corcyra Flores等 出展:JP 2016,87.14-20
目的
1 下顎皮質骨指数(MCI)で推し測る骨粗鬆症と、MBLが相関関係にある可能性を探ること
2 様々な全身性疾患、歯周炎、並びに、再生骨に対するインプラントの埋入がMBL、及びMCIと、どのように相関関係にあるかを調べること

材料と方法
67名の患者に212本のインプラントを埋入し、2年以上荷重を付与した。クラスタ化が失敗する可能性を考えて、それぞれの患者につき、1本のインプラントを選択した。(インプラント67本)、MBLを測定した。骨粗鬆症は、MCIを利用して評価した。MBLとMCIは両方とも、パノラマレントゲン像上で測定した。
取り込み基準と排除基準
糖尿病患者は経口糖尿病薬で治療し、骨粗鬆症患者は、ホルモン置換療法、カルシトニン、副甲状腺ホルモン、及び、 ラネル酸ストロンチウムで治療した。
骨の代謝に影響しうる薬物(ビスフォスフォネートと、長期に渡るコルチコステロイド療法)による治療中の患者と、インプラントが非荷重、またはその荷重期間が1年未満であった患者は除外した。
歯周炎患者では、インプラントは、歯周治療から6ヶ月を経て全ての部位が良好と判断されるまで、埋入しなかった。
糖尿病や骨粗鬆症などの全ての臨床データは健康診断書で証明されたものであることも本研究の取り込み基準とした。
結果
総インプラントサンプル(N=212)を評価した場合に、骨粗鬆症の存在と、MCIとの及び真性糖尿病と、MCIとの、有意の関係が発見された。有意の関係は、MBLと過去の歯周炎既往歴についても派遣された。
それぞれの患者でせんたくした1本のインプラントサンプルについてのみ評価を行った場合には、有意差は、MBLと、再生骨部に対するインプラントの埋入のみ、関係付けるようである。
結論
MCIによって評価する骨粗鬆症は、より多くのMBLが発生するリスクをもたらさないと、本研究の結果に基づいて結論付けることができる。
MBLに悪影響を及ぼすパラメーターは歯周疾患の既往歴と、特に、骨再生部へのインプラントの埋入である。