今こそ論考するニッケルチタンファイルに」よる根管形成

第4回ニッケルチタンファイルは今後どこに進んでいくのか?

商業誌;Qintessence/2020 3月
著者;林洋介/八幡洋生 先生

NiTiファイルが臨床の現場に登場して約30年近くの時間が経過した。米国の一般開業医に対するアンケートでは75%が日常臨床でNiTiファイルを使用しているとの報告も存在し、広く浸透している。これはNiTiファイルが歯内療法専門医の診療用器具ではないことの証明であるともいえる。しかし我が国での使用率についてはかなり低いのではないかと思われ、ファイルの破折とコストの問題が大きく影響しているのではないかと推測できる。
従来のステンレススチールのファイルと比較し、根管形成の効率化及び時間短縮を図ることができる。この先、NiTiファイルがどのような方向に進んでいくのかに関しても考察したい。
NiTiファイルの大別
4つの種類の駆動方式に大別される。
ハンドNiTiファイル、ロータリーNiTiファイル、レシプロケーションNiTiファイル、その他のNiTiファイル。
NiTiファイルを使用する上でのさまざまなモーター

現在のファイルの使用意義はシンプルで効率的かつ根管形成の質と再現性を担保できることである。ただ根管形成に限界があるので、この限界を認めら上で、Schilderの提唱した根管形成の要件を目標とするならばかなりNiTiファイルはゴールに近いところまで来ていると言えよう。