出典:The international Journal of Oral&Maxillofacial inplants VOL.24 2008
Wonjae Yu
骨頂の応力に対して、インプラントの径と歯槽堤幅径が及ぼす統合的影響。
定量的アプローチ
はじめに
インプラントネック周囲の骨頂は、高めの機械的応力に晒されている。
一定の閾値を超える応力は、マイクロダメージと骨の吸収に繋がりうるため、高い骨頂応力は、骨頂喪失、長期の不安定、インプラントの失敗の原因になる。
目的
(1)骨頂内の特異点におけるピーク応力を定量するための回帰分析法を検定すること
(2)インプラントの径と歯槽堤の形状が、骨頂応力に対して加える、統合的、相互作用的な作用を調べる
結果
1.回帰分析法を用いて、インプラントと骨頂との間の鋭い角におけるピーク応力を、切欠特異点と関連したメッシュ依存問題を回避しながら、推定した。
2.推定されたピーク応力は、インプラント径と歯槽堤幅の両方の関数として、有意にばらついていた。これにより、インプラントの径と歯槽堤幅のバランスは、統合的な形で考慮される必要があることが示唆されているといえよう。
生力学的見地からは、インプラントが太いほどそして、歯槽堤が細いほど、応力はより低い。推定されたピーク応力の減少は、インプラントの径と顎堤の幅に依存する。
3.骨頂応力レベルを確実に低く抑えるには、インプラント/歯槽堤比率を0.5以上とすることが進められる。
まとめ
インプラント/骨複合体の構造的剛直性をコントロールするためには、 顎堤幅に対するインプラントのサイズ(径)を変える。
インプラントが太いほど、または歯槽堤が細いほど、骨頂応力は低い。
しかし、細い歯槽堤の場合は、骨吸収の問題が起こるため、静的生力学にのみに基づいて決定されることはできない。