大臼歯置換のための、一歯インプラントの即時修復/荷重、又は即時埋入。系統的レビューとメタ分析

表題:Immediate placement or Immedeate Restoration/Loading of single Implants forMolar tooth Replacement Asystematic Review and Metaanalysis
著者:Momen A.Atieh著
出典:The  International Journal of Oral & Maxillofacial Implant vol 25
Number 1 .2010
目的
(1)新鮮大臼歯抜歯窩への1歯インプラント埋入の、全体的な有効性を評価すること
(2)治癒後の大臼歯における、1歯インプラントの即時修復/荷重の臨床的アウトカムをまとめること
材料と方法
The Academy of Osseointegration  Workshop on the State of the Science
In Implant Dentistory (SSID)のガイドラインに従い、系統的レビューを行った。
取り込み基準
1.上顎、または下顎の大臼歯領域にて、即時埋入、または修復/荷重された、10本以上の1歯インプラント
2.6か月以上の平均追跡観察期間
3.明白に提示された生着率、成功率、或いは生着率、成功率を計算できるデータが示されていること
4.骨内ソリッド歯根型チタン口内インプラントの利用
結果
・抜歯窩での即時埋入では9件の論文を取り込んだところ、インプラントの生着率は12~133ヵ月期間中で、93.9~100%
・治癒後の大臼歯における、即時修復/荷重では7件の論文を取り込んだところ、インプラントの生着率は、6~36ヵ月で90.9%~100%
・即時荷重と、慣例的荷重が、インプラントの生着と、辺縁骨レベルの変化について比較された研究は、2件のみであった。
 内1件の研究では有意差が報告され、即時荷重の方が優っていた。
・インプラントの失敗については、即時荷重群と慣例的荷重群は、治療効果という点で、異なっていなかったことが、メタ分析によって発見された。
結論
・本系統的レビューと、メタ分析により、大臼歯抜歯窩に即時埋入される、1歯インプラントの生着率は高く、治癒後の部位におけるインプラント埋入に匹敵していた。
・治癒後の大臼歯部における、1歯インプラントの即時修復 /荷重でも生着率は高かった。
・大臼歯領域における、即時埋入されるインプラントの、即時修復/荷重について、従来法インプラント術式と比較された対照付き研究は欠けている。
まとめ
これらの結果からみると、即時埋入、治癒後の顎堤における即時荷重/修復を臨床に取り入れ、患者さんの欠損期間や、咬めない時間を短くできる可能性がある。