様々な連結法と、インプラント印象用のアクリルレジンタイプによって誘導される、微小歪みゲージ分析

A Strain Gauge Analysis of Microstrain
Induced by Various Splinting Methods and
Acrylic Resin Types for Implant Impressions
様々な連結法と、インプラント印象用のアクリルレジンタイプによって誘導される、微小歪みゲージ分析
著者:Nunes M 等
出典:The International Journal of Oral & Maxillofacial Implants
はじめに
インプラントの印象は、特に精密に採る必要がある。過去に印象時に使用するレジンの変形についての報告はあったが、どれも材料の統一はされていなかった。
目的
直接的なインプラントの印象採得中の、スプリンティングテクニックのために利用する、2種類のアクリルレジンの重合中に発生する微小歪みを調査する。
MMA/HEMAベースのアクリルレジンと、MMAアクリルレジンの2種類を比較した。
材料・方法
エクスターナルヘックス連結を有する、2本のシリンダーインプラント(径3.75㎜、長さ15㎜)Master Screwのインプラントを用いて、ホリウレタンブロックにインプラントを埋入し、2種類のレジンを使用し、トランスファーコーピングを連結した。標準化した(厚さを頬舌即に4mm、歯頸部ー咬合方向に2mm)スプリンティングで、歪みを測定した。
標本を3種類のいずれかでスプリントした3個の群に(それぞれの群で20個)、無作為に割り振った。
方法1
ワンピーススプリンティング法(対照)
方法2
0.3mmのダイヤモンドディスクを用いてアクリルレジンスプリントを、アバットメントから等距離で分割した。それぞれの断面をPTFE鋳型に装着し、重合から17分を得て再連結した。
方法3
方法2と同じように分断し、再連結を24時間後におこなった。
それぞれの方法で、標本の半数n=10をMMA/HEMAベースのGCPattern Resinで、残りの半数n=10をMMAベースのDuralay2 でスプリントした。
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結果
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Duralay2の方法1は、このレジンを用いた他の方法よりも、有意により高い微小歪みを生み出した。これに反して、GCPattern Resinを併用した場合には、各スプリンティング法は、有意に異なっていなかったことが発見された。
レジンのタイプとスプリンティング法の両方が、生じた微小歪みに、有意に影響した。相互作用項も有意であった。
結論
ワンピーススプリンティング法と併用したDuralay2は、高い微小歪み値を生み出した。
故にこの方法は、このアクリルレジンに対しては勧められない。それよりも、分割して、17分後でも24時間後でも構わないが、再連結する方が良い。
GCPattern Resinに関しては、スプリンティング法は、生じた微小歪みに、有意に影響しなかった。
従って、手早い選択肢である、ワンピースモノブロックスプリンティングが、最も適していると思われる。