即時埋入したインプラントの、7年後における、頬側面の骨と粘膜の寸法。臨床とコーンビームCTによる研究

著者
Goran I .Benic 等

目的
即時埋入したインプラントの、7年後における、頬側面の骨と粘膜の寸法を評価すること
材料と方法:2002年6月から2003年4月にかけて24名の患者を、前向き臨床研究に参加させた。それぞれの患者で、上顎、または下顎の第2小臼歯から第2小臼歯にかけての区分にできた抜歯窩に1本のインプラントを即時埋入した。以下の臨床変数を外科手術の前に評価した。全額プラークスコアFMPS、プロービング後の出血の全額スコアFMBS、それぞれの歯牙/インプラント部で6箇所、角化粘膜幅KM 実験部の頬側面中央。実験部と隣接歯にて、粘膜骨膜弁を挙上した。抜歯後に、機械加工カラーの長さが1.8mmのインプラント(Straumann)を抜歯窩に埋入した。インプラントは頬側面中央部の粘膜辺縁から根尖より2-3mmの所にインプラントショルダーが設置される、このインプラントシステムの標準的な処置法に従って埋入した。続いて、残存骨欠損の術中測定を、インプラントの頬側面中央で行った。インプラントショルダーから、歯槽骨頂までの距離(IS-ACbl)(mm)インプラントショルダーから、最初の骨―インプラント接触までの距離(IS-BICbl)(mm)。インプラントの表面から、インプラントの長軸に対して垂直な方向での、歯槽頂の最も歯冠寄りの面までの、水平的な欠損デプス(HDDbl)(mm)HDDblが0.5mm以上であった残存骨内欠損とインプラントの粗造面が露出していた骨裂開部には、異種代替骨ミネラル(Bio-Oss Spongiosa granules サイズ0.25-1mm)を移植し、吸収性のコラーゲンメンブレン(Bio-Gide)で覆った。インプラント埋入後7年目に同項目を測定しCBCT画像を得た。

結果
7年目の追跡観察検査には計14名の患者が応じ、すべてのインプラントが成功裏と判断されインプラント周囲軟組織炎症の徴候は存在しなかった。臨床測定、FMPSとFMBSは7年目の追跡観察時のほうが、ベースライン検査時よりも、より高かったが、統計的有意にはFMBSに関する相違のみ達した。(P≦0.01)インプラントでのKMは7年目の追跡観察時に、1.2±1㎜(SD)減っていた。この差は統計的有意であった。(P≦0.01)頬側ー前庭側方向での位置に関しては、全てのインプラントが前庭寄りに位置していた。レントゲン評価によって7年目の検査時には、5本(35.7%)のインプラントで、頬側面の骨は失われていたことが示された。頬側面に骨が存在していたインプラント群ではIS-ACはベースライン時から7年目の検査時にかけて安定し続けていた。
ほかの5本のインプラントはIS-ACは8.7±1.8㎜増加していた。
結論
即時埋入したインプラントの7年機能後に、以下を、本研究の制限内で結論付けることができる。
1 1/3のインプラント部では、頬側骨は、ほぼ全く発見されなかったが、残りのインプラントでは頬側骨は、インプラントの粗造面を覆っていたことが発見された。
2 初回の骨欠損と、7年目の追跡観察時に測定した骨寸法は、相関関係に無かったことが発見された。
3 レントゲン像上で、頬側骨が無かったインプラント部位では、健全な頬側骨を有していたインプラントと比較して、粘膜レベルは、1㎜、より根尖寄りに位置していた。