Periodontal Regeneration With Enamel Matrix Derivative in Recnstractive Periodontal Therapy : A Systematic Review
歯周再建治療におけるエナメルマトリックスデリバティブ(EMD)による歯周再生系統的レビュー
Richard Koop JP 2012
目的
様々な歯周治療で付加的に利用されるEMDは、対照、または他の治療法よりも効果的であるかという疑問に対する最新の答えを提示すること。
本レビューでは骨内欠損、根分岐部、及び退縮でのEMDの利用に焦点をあてることにする
方法
骨内欠損、根分岐部病変、及び退縮の治療における、EMDの利用を評価した。追跡観察期間が1年以上の無作為対照付治験のみ取り込んだ。第一アウトカム変数は、骨内欠損に関しては、臨床付着レベル(CAL)の変化、根分岐部病変に関しは、水平的分岐部デプスの変化、そして退縮に関しては、完全な根面被覆であった。
結果
選別後に、27件の研究がレビューのために適格と判断された。骨内欠損と退縮について、メタ分析を行った。EMDによる骨内欠損の治療では、オープンフラップデブライドマン、EDTA、またはプラセボと比較したときには、1.3ミリという、有意の付加的なCAL増加が示されたが、吸収性メンブレンとの有意差は示されなかった。歯冠側移動術+EMDと、歯冠側移動術単独の比較では有意により多くの完全根面被覆が示されたが(OR3.5)、結合組織移植と比較した場合には、結果は有意に異なっていなかった。根分岐部にEMDが使用されたところ、吸収性メンブレンの使用時よりも優った、水平的デプスの改善が得られたことが1件の研究で示された(それぞれ2.6±1.8㎜と1.9±1.4mm)
結論
骨内欠損の治療においては、EMDの使用は、対照治療法よりも優っているが、吸収性メンブレンとは効果が同じである。退縮を被覆するために、歯冠側移動術にEMDを付加すると、対照に優る結果が得られるが、それらの効果は結合組織移植とは同じである。根分岐部にEMDを使用すると、吸収性メンブレンを使用した場合よりも、より多くの水平的分岐部病変の減少がもたらされる。