目的
多くの臨床治験で、舌苔と口臭の明白な関係が観察された。この舌苔がなぜそしていつ形成されるかは分かっていない。本研究の目的は、口臭を訴える集団にて、舌苔の存在と関係している可能性がある要素を分析すること。
材料と方法
ある口臭専門クリニックから集めた。医療歴、食事習慣、及び口腔衛生習慣をアンケートを用いて調べた。感覚刺激スコア、硫黄化合物の呼気中レベル、舌背部の解剖学的特徴、舌苔の量(Miyazaki指数、Winkel指数、改良Winkel指数を利用)、舌苔の湿重量、及び唾液流量を記録した。舌苔の存在と一連のパラメーターとの相関関係を分析した。
結果
舌苔を評価するための指数に関係なく口腔衛生レベルと患者の歯間を清掃する頻度は、それぞれ正と負の統計的有意の相関関係を示した。多重分析を適用したところ、口腔衛生レベルの相関関係のみ引き続き有意であった。
結論
口臭に関する今日までの研究は、主に療法的アプローチに焦点が置かれ舌苔の存在と関係した因子の研究はあまりされてこなかった。
我々の結果より判断すると舌苔はいくつかの要素の関係があり、その中でも口腔衛生レベルは最も強く関係しているようである。
口腔衛生習慣、喫煙、歯周状況、唾液の特徴、食事習慣、及び義歯の使用などのような他のパラメーターの舌苔形成過程に関する関与はそれほど明白でない。