生物学的幅径の寸法。系統的レビュー

著者:Julia C Schmidt等
目的
ヒトの生物学的幅経の寸法を、調べることにあった。
材料と方法
5種類の電子データベースを利用して、2012年9月までに発表された論文を、系統的に検索し、この検索に、手作業検索を補足した。研究の選択、データの収集、及び正当性の評価を、2名の精査者が行った。検索によって見つかった615個の表題のうち、14本の論文を取り込んだ。このうち6本が、メタ分析に適していた。
結果
取り込んだ研究は、1924年から2012年にかけて発表された研究であった。それらは、生物学的幅径の測定値について、異なっていた。2個のメタ分析より得られた生物学的幅径の平均値は、2.15-2.30mmであったが、大きな個人間、及び個人内相違が観察された(被験者サンプル範囲:0.2-6.73mm)。歯牙のタイプと位置、修復物の存在、並びに歯周疾患/外科手術は、生物学的幅径の寸法に影響した。研究方法とアウトカム変数に関する、研究間の明白な異質性が存在する。
結論
生物学的幅径の普遍的な寸法というものは、存在しないようである。再建治療内で生物学的幅径を評価する際には、その前に、歯周健康を確立しておくよう提唱される。
臨床的関連性:研究のための科学的論拠:修復治療において、歯周健康を維持するためには、生物学的幅径を考慮に入れることが提唱される。
主要所見
本系統的レビューでは、生物学的幅径の寸法に関する、顕著な個人内、及び、個人間ばらつきと、いくつかの患者関連交絡因子、並びに歯牙間連交絡因子が発見された。生物学的幅径に関するメタ分析に由来するデータは、臨床利用のための、注意深い目算を
提供しうる。
実用的意義
局所麻酔の適用後に行われる、歯周プロービング・及び経歯肉プローピングは、各々の生物学的幅径を調べるための手助けとなりうる。生物学的幅径を調べる前に、歯周健康を確立しておくことが提唱される。
2013 John Wiley & Sons A/S