歯肉辺縁を歯冠側に移動させるための、2種類の弁デザインを臨床的に比較する。 半月状歯冠側移動術と歯冠側移動術の比較。

著者
Ronaldo B Santana等
出展
JCP 2010、37、651-658
目的
上顎Miller クラスⅠ退縮(GR)欠損を治療するために適用したSLCRFと歯冠側移動術(CAF)の臨床アウトカムを比較することにあった。
材料と方法
両側にMillerクラスⅠのGR欠損を有していた、22名の患者を無作為に、CAF群かSLCRF群に割り振った。
評価した臨床パラメーターは、退縮高径、角化組織幅径、プロービングデプス、垂直的臨床付着レベル、可視プラークスコア、並びにプロービング後の出血であった。
ベースライン時とそれから6ヵ月後に、臨床測定を行った。有意をα<0.05にセットしながら、測定値間相違をX2検定か、対のあるt検定で分析した。
結果
歯肉辺縁を歯冠側に移動させ、維持するのにいずれの弁デザインも効果的であった。根面被覆(RC)率、完全RCの頻度、及び臨床付着レベルの増加という点での臨床的改善は、CAFのほうがSLCRFよりも、優位に優れていた。SLCRFで治療した部位にて、術後すぐに得られたRCはその後の評価期間中維持されなかった。
結論
狭い上顎MillerクラスⅠのGR欠損を治療するために適用されるCAFはオリジナルなSLCRF法よりもRCに関して有意に優る。
主要所見
SLCRFで治療した部位では、創部の治癒が視覚的に、有意に変化したものであることが示され、RCは6ヶ月の評価期間中、安定しなかった。

実用的意義
記述されたオリジナルなSLCRFの予知性は、疑問視される。