Borak
Yilmaz
JOMI
2015,30,1011-1018
接着クラウンのための、9種類のアバットメントにて、TSVインプラント上で繰り返しトルク締めした後に起きる三次元的なずれを、三次元デジタル画像相関法(3D CID)を利用しながら、調べることにあった。
アクリルレジンブロックに、9本のテーパードインプラントを植立した。
5個の標本にて、9種類のアバットメントを9本のインプラントのいずれかに装着した。
アバットメントを手で絞めた後、メーカーが推奨する30N㎝のトルクまで、トルク締めした。
10分後に30Ncmのトルクを再び付与した。更に10分経過した時点で、試験を終了した。
12秒間隔で画像を記録した。
レジンブロックに対する、アバットメントの空間的関係を3Dデジタル画像相関法で調べた。
市販の画像相関ソフトを利用して、ずれを分析した。
1回と2回のトルク締め後に生じた、アバットメントの3方向での平均的なずれ値を、全体的なそれと、共に計算した。
t検定とステップダウンBonferroni相関で、統計比較を、行った。
30Ncmで最初のトルク締後にX軸で平均変位と信頼区間が最も大きかったのはATアバットメントであった(約12㎛)。
約12㎛というこの変位は全ての方向における最大平均変位であった。
2回目のトルク締後にも、ATアバットメントは最大の平均変位と信頼区間を有していた。
しかしこのズレは、最初の平均変位と反対の方向で起きた。
6種類のアバットメントでも2回目のトルク締後に反対方向への平均変位が観察された。
これは、これらのアバットメントは2回目のトルク締後に、最初の手締めの位置に戻っていったことを示唆するものと考えられる。
残り3種類のアバットメントでは1回目のずれと同じ方向への平均変位が観察され、それらは全て1㎛未満であった。
2回目のトルク締後には、どのアバットメント間でも、統計的優位差は発見されなかった。