著者
Jung-Hoon Kim等
出展
JCP 2014 41,80-85
目的
治癒が不全な抜歯窩の発生頻度を分析することと、治癒を妨害する可能性がある要因を、明らかにすることにあった。
材料と方法
12週間以上の治癒を経て、骨ではなく、繊維性瘢痕組織が抜歯窩を占有していることが、臨床的に観察される治癒を、治癒不全と定義した。CTを利用して、治癒不全の抜歯窩の特徴を調べ、それらのHounsfield単位スコアを計算した。
レントゲン分析
1名の熟練レントゲン技師が、レントゲン評価を行った。治癒不全とされた抜歯窩を有していた全被験者の術前パノラマレントゲン像を利用できた。レントゲン像はオルソパントモグラフとX線フィルムデジタイザー利用の自動フィルムプロセッシングを使用して得た。パノラマレントゲン像をコンピュータ支援システムで評価した。
結果
インプラントを埋入する前に、抜歯を行った患者からなる、Seoul National University Dental Hospitalアーカイブに由来する、計1226件の歯科記録を分析した。70名の患者と97か所の部位で、抜歯窩の治癒異常が示された。その発生頻度が最も低かったのは、上顎切歯、犬歯。最も高かったのは下顎大臼歯であった。治癒不全は、以下の場合に起こりやすかった。60歳未満の被験者、高血圧患者、大臼歯及び一歯抜歯後。骨喪失の発生率が最も高かったのは、頬側面骨壁であったことが、CTによって示された。
結論
抜歯窩の治癒不全は、非凡な続発症ではないようであることが、本研究の制限内で、本観察結果によって示唆されている。
具体的には、十分な治癒期間を設けても、正しい抜歯窩の治癒が常に支持されるとは限らず、骨形成ではなく軟組織の浸潤によって、
治癒は不全となる可能性がある。治癒不全は、全身的要因、並びに局所的要因と関係していた。