著者
zian-Tao Zeng等
出展
JP 2016:87:1158-1164
背景
歯周疾患は、心血管疾患や真性糖尿病などのような、多くの全身性疾患と関連付けられている。歯周疾患は肺癌とも関係している可能性が、最近の証明によって示唆されている。しかし、それらの正確な関係がこれまでに調べられたことはない。従って本研究では、歯周疾患と肺癌発症リスクの関係を、メタ分析を利用して調べる。
方法
2015年6月10日までのPubMed、Scous、及びScience Directを検索した。歯周疾患患者における肺癌リスクが調査された、コーホート研究とネスト化症例ー対照研究を取り込んだ。固定効果逆分散法を利用しながら、固定効果とそれらの95%信頼区間(CI)を計算した。Q検定とI 2乗統計を利用して、統計的異質性を調べた。ファンネルプロットサマリとEgger検定によって、出版バイアスを調べた。
結果
321420名の参加者からなる、5件のコーホート研究を、メタ分析に取り込んだ。補正後データに基づくサマリ統計によって、歯周疾患は肺癌の有意のリスクと関係していたことが示された。出版バイアスは確認されなかった。女性集団にて、歯周疾患と肺癌の関係は有意のままであることが、下位群分析によって示唆された。
結論
歯周疾患は、肺癌の有意に高いリスクと関係していることが、本研究のメタ分析によって示唆されている。歯周疾患の予防、及び治療戦略は十分に確立されている。故にそれらの効果的な実践がなおも、口腔衛生の最重要なゴールである。しかし、歯周疾患患者における、肺癌発症の作用機序を完全に理解するためには、標準化された交絡因子の補正と下位群分析下で、十分に上手く行く手法がデザインされた、さらなる大規模な集団研究が必要とされる。