著者
Jamal Hassan Assaf
出展
JP2017,88,173-180
目的
即時インプラントと関係した頬側面骨裂開部(II級)を、外科的フラップ、またはメンブレンを併用するコラーゲン濃厚ウシ由来異種移植ブロック、またはそれらを併用しないコラーゲン濃厚ウシ由来異種移植ブロックで治療する、新しい方法を評価することにある。
材料と方法
5㎜以上の頬側面骨裂開を有する患者をフラップレス手術に選択し、頬側面裂開欠損と、インプラントと残存骨壁間のギャップに、異種移植ブロックを挿入した。メンブレンは使用しなかった。CT上で頬側面骨壁高径を、術前(T0)と術後6-12か月目(T1)に測定した。歯槽提の頬舌幅と、頬側壁の厚みも、反対側のそれらと比較した。
結果
14名の患者を選択した。治療した歯牙と反対側の歯牙は6-12か月後に測定したT1時の頬側壁高径について、有意に異なっていなかった。しかし、いずれの値も、T0のそれらよりも高かった。(P<0.01)高径はT0で6.4-16.30㎜であり、反対側の歯牙のそれは14.8-25.29mmであった。歯槽提の頬舌幅についても(P=0.007)、頬側壁の厚みについても(P=0.003)、治療した歯牙(T1)と反対側の歯牙は有意に異なっていた。T1における壁厚みは0.9-3.18mmで、反対側の歯牙のそれは0.25-1.60mmであった。
結論
頬側面骨壁の裂開を修正するための異種移植を伴う、インプラントを即時埋入するためのフラップレス手術は、全症例に、インプラントショルダーエリア周囲を含めて、骨の新たな形成をもたらした。このような手法を利用することで、裂開を修復し、インプラント周囲欠損を解消することができた。