著者
Hanan Nejer AI-Otaibi等
出展
JOMI2017-32.259-263
目的
インプラント支持固定式総義歯のリムーバルトルクに対して、トルクの適用法(トルク締め、1回の再トルク締め、及び2回目の再トルク締め)が及ぼす影響を調べることにあった。
材料と方法
アクリル製の下顎親模型に開けた4個の穴に、4本のNobel Biocareインプラントを暫間的に固定した(4.3×13+3:スレッド高径13㎜+カラー高径3㎜)。
標準化した方法で、メタルフレームワークを作製し、キャストし仕上げた。アクリル製親模型からインプラントを取り外し、それらをメタルフレームワークに手で締めることで、受動的に適合するフレームワークをを完成させた。次にアクリル製親模型上で、組み立てた全部品を再固定した。3種類のプロトコルで、トルク試験を行った。
1、スクリューを35Ncmで1回トルク締め
2、スクリューを35Ncmで締めた後、同スクリューを同じ値で即座に再トルク締め
3、スクリューを35Ncmで締めた後、2回連続的に再トルク締め
れぞれのインプラントのリムーバルトルクを、デジタルトルクメーターで記録した。
結果
トルク1回再適用群で、最も高いリムーバルトルクが記録された(29.5±1.5Ncm)次がトルク適用群で(27.9±0.7Ncm)、最後がトルク2回再適用群であった(27.2±1.6Ncm)。
トルク群、及び2回再トルク群と比較して、1回再トルク群の方が、トルク値は有意により高かったことが、Games-Howell事後検定によって示された。
結論
最初にアバットメントスクリューをトルク締めした後に、再び1回トルク締めすることで、スクリューのリムーバルトルク値は高まりうる。トルクを2回以上再トルク締めする際には、注意が必要である。なぜならそれは、リムーバルトルクに悪影響を及ぼしうるからである。