即時インプラント埋入の審美アウトカム

著者
Christopher D.J.Evans

出典
CLINICAL  ORAL IMPLANTS RESEARCH Vol19・IssueNo.1 January2008

研究目的
一歯即時インプラント埋入の審美アウトカムを精査し、これらの結果に影響しうる要素を調べる。

~即時インプラントとは?~
・軟組織の形態・輪郭・骨量を維持できる。
・歯がない状態と、全体的な治療期間を短縮し、審美結果を最適なものにするという利点がある。

結果
・即時インプラント修復後、約20ヵ月の平均観察期間後に、約0.2ミリ~1.5ミリの頬側面辺縁粘膜の退縮がみられた。40.5%の部位で1㎜以上の退縮が起き、退宿が起こらなかったのは14.3%であった。
・インプラント埋入の位置が頬側寄りに位置していたインプラントでは、この線よりも舌側寄りに位置していたインプラントよりも、退縮量は3倍より多かった。
頬側では1.8±0.83㎜、舌側では0.6±0.55㎜。

・退縮は、歯茎が薄いタイプと、厚いタイプの両方で起こった。しかし、薄いタイプのほうがその度合いは大きい傾向がみられた。
・近心面と遠心面の乳頭における、高径の変化は最小限であった。(平均0.5㎜)

まとめ
即時インプラントでは、ほとんどの場合において歯肉退縮がおこるが、舌側に位置している方が、退縮しにくい。近遠心の乳頭の位置の変化は最小限であることから、即時インプラントは軟組織の状態を維持しやすいと言える。