アストラテックインプラントユーザーミーティング

インプラントの講習会が秋葉原にてあったので、井上歯科クリニックの歯科医師全員で出席してきた。

演者は3名で、第一演者の先生は、大学の歯周病科の准教授であり、他の二人の先生は一般開業医であるが、アメリカの歯周病専門医の教育を受けていた。

第一演者の内容で印象的だったのは、インプラントの上部構造に横ネジ式を使用していたところであった。作製するのも、また、操作するのもとても煩雑だと思われるが、みごとに仕上げられていた。演者のこだわりを感じ、歯科医師になっていなければ大工さんになりたかったと言うのも納得がいった。

次の第二演者の先生は、内容てんこ盛りで、予定時間を30分もオーバーするほど熱が入っていた。特に興味があったところは、インプラント周囲炎とフィクスチャーのハセツについてだった。インプラント治療を臨床に取り入れて、もう20年になる。最初の頃は、上顎大臼歯部のインテグレーションが悩みの種であったが、今は表面性状の改善でさほど苦慮していない。現在は、インプラント周囲炎が、論文で発表されているより多く発症していて、その対応に困っている。演者の先生は、論文を活用し、また豊富な臨床経験を融合させ、現時点における適切な治療と今後の方向性について示した。また、自身の症例ではまだ少ないが、フィクスチャーのハセツも今後増えていくように思い、とても参考になった。 

最後の第三演者の先生は、インプラントの審美領域における、硬軟組織の取り扱いについて話をされた。様々な材料と手技を駆使し、インプラントの審美性の向上について、たくさんの症例を示された。以前は、インプラントなので少し審美性の面で劣るのは仕方がないような見方があったが、現在はインプラントにおいても厳しい審美性の獲得を義務づけられるようになった。アメリカでの歯周病専門医としての教育で習得した知識、技術を基礎にして、最新の材料を使用し、より高い水準の審美性の結果を示された。

いずれにせよ、インプラント治療は今後も増加して行くものと思われる。基本は、今までのクラウン&ブリッジ、歯周治療の延長上にあるはずなので、基本をおろそかにせず、さらに全員で勉強をして、向上を図っていきたいと再認識した一日であった。