出典:
Clinical Oral Inplant Research 2009
表題: A systematic review on the accuracy and the clinical outocome of computerguided template based inplant dentistory
著者: David Schneider
研究目的
材料と方法:過去の系統的レビューに従ってpubMed電子ライブラリーのオンライン検索を行った。
・最短追跡観察期間は12ケ月
・アウトカム変数
正確性に関する評価
(1)エントリーポイントでの逸脱
(2)アペツクスでの逸脱
(3)高径の逸脱
(4)軸の逸脱。
臨床的性能に関する評価
(1)早期(術後2 週目に発生した)外科的合併症、または予期せぬ事象
(2)早期補綴合併症
(3)後期(12 ケ月目以降に発生した)インプラントの失敗
(4)後期補綴的合併症
結果
エントリーポイント平均偏差
・ヒト 1.16㎜
・カダバー 1.04㎜
・模型0.90㎜
アペックス平均偏差
・ヒト 1.96㎜
・カダバー1.42㎜
・模型1.00㎜
インプラントの位置が評価された研究(7件、271ヶ所)
平均誤差:エントリーポイントで1.10㎜
アペックス 1.73㎜
ドリルホールの位置が評価された研究(1件、50ヶ所)
平均誤差:エントリーポイントで0.9㎜
アペックス 1.00㎜
技工室で作製されたガイドが用いられた研究について
模型研究(1件、48 箇所)
平均誤差:エントリーポイントで0.83mm
アペックスで2.17mmであった
光造形システムによるガイドが用いられた研究(7件の研究、273箇所)
平均誤差:エントリーポイントで1.11mmの
アペックスで1.53mm
高径の誤差:平均誤差 0.43mm
高径の誤差:平均誤差 5.26度
★研究デザイン、 ポジショニングの方法、 テンプレートの作製法、 そしてテンプレートの支持に関する群間相違は、 統計的有意に達しなかった。
検討
・コンピューター支援システムの水平的な平均偏差は、エントリーポイントで約1㎜、アペックスで1.6㎜、高径は、0.5㎜、軸は、5~6度内。
・各研究での偏差の量、治療された患者の数、インプラントの部位に関して大きなばらつきがある。
・最大の問題ははずれ値である。
・コンピュータ支援システムの信頼性はブラインド埋入を正当化するには、不十分である。
・精度の問題点は、テンプレートポジションの再現性と安定性である。
・骨、歯牙または、インプラントによって支持されるテンプレートの精度は粘膜支持テンプレートのそれよりも優っているとの仮説は確証できない。
臨床的性能
・術前後の外科的合併症は9.1%でみられ、その中で最も多いのは、臼歯部における咬合間距離であった。
・早期補綴的合併症は、補綴物の不適合、計画された位置と実際の位置との不一致、大規模な咬合調整などであった。
・インプラントの生着率は91-100%であり、慣例的な治療法の生着率と類似している。
まとめ
これまでの研究と同じく、コンピューター支援システムの平均偏差は問題ないが、はずれ値の値が大きいため、下顎管までの距離がない症例等には注意が必要である。