最適な審美アウトカムを得るための、インプラント周囲における隣接面骨と頬側面骨の水平的な臨界寸法。系統的レビュー

著者;Wim Teughels
出展 ;COIR,20,suppl.4.2009,134-145
目的:最適な審美アウトカムを得るための、インプラント周囲における隣接面骨と頬側面骨の水平的な臨界寸法を探る

材料と方法
検索法Medline検索を行う。加えて付加的な手作業検索を以下を含めながら行った。
1、 インプラントの審美性が議題の過去のレビューの図書目録
2、 本レビューで考察した全論文の図書目録
3、 The ISI Web of knowledgeオンラインデータベースを用いての、本レビューで考察した全論文の引用文献検索。

結果
Sprayらはインプラント埋入時に、頬側面の骨の厚さと、頬側面の骨高径を測定し、それをアバットメント連結時の、頬側面の骨高径と比較した。結果は骨高径の喪失量が多いほど、インプラント埋入時における頬側面骨厚さの平均値はより小さかった。したがって著者らは約2ミリの頬側面骨厚さは、垂直的骨喪失の発生と量を減じると唱えた。
初回の唇側面骨厚さの平均値は、アバットメント装着時に、より多くの唇側面骨吸収が示されたインプラントのほうがより小さかった。
Gastald論文によると最良の乳頭充填は、インプラントがお互いに3-3.5ミリ離して埋入された時であった。インプラント間距離がこれよりも狭い、または広いと乳頭充填率は低下した。Degidの論文では最適な乳頭充填は2-4ミリのインプラント間距離で観察された。この小さな不一致は、Gastaldの定義のほうがより曖昧であった、乳頭充填を定義するために利用された基準、外科術式、使用したインプラントタイプの相違、などの様々な要素と関係していると考えられる。またGastaldは3ミリ以上の水平距離に関しては歯牙ーインプラント間距離とインプラント間距離の両方で、垂直距離と水平距離との相互作用が存在すると報告した。しかし3ミリ未満の水平距離では、コンタクトポイント底辺から骨頂までの距離に関係なく乳頭は欠如した。

結論
利用可能な情報の中からは、ここで調べられた臨界寸法に関する、どのような厳格なガイドラインも確信を持って提唱する事は出来ない。利用可能な研究より判断して3ミリの隣接面要素間距離は、適切な乳頭充填の可能性を高めるようである。
しかし、頬舌方向については、頬側面骨厚さの閾値が設定されておらず、更なる研究が行われなければならない。