インプラントの表面形状が、埋入時の初期固定と、模擬インプラント周囲骨喪失に及ぼす影響。共鳴周波数分析と動揺度診断を用いたインビトロ研究。

著者:JOMI201126347-355 Stefan Lachmann

目的:インプラントの表面形状が、初期固定と、インプラント周囲骨喪失に及ぼす影響をインビトロモデルにてperiotestosstell装置を用いて調べることにある。

材料と方法:牛骨による初期固定とアクリルレジンブロックのインプラント周囲組織の破壊後の安定性について、異なる種類の歯科用インプラントを試験した。骨質、インプラントタイプ、インプラントの径、インプラントの長さのパラメーターのそれぞれが、測定値にどのように影響しうるかを調べるために、残りの環境条件は変えなかった。実験では2種類のメーカーの、商用ソリッドチタンインプラントを使用した。

    
径が3.75mmで、長さが11、13、15または18mmの機械加工面を有する、シリンダースクリュータイプのブローネマルクスタンダードインプラント

    
径が15mmで、ネック部分の幅径が3.84.55.5、または6.5mmである粗造面を有する、階段状シリンダーのfrialit-2synchroスクリュー。

結果

インプラントの初期固定に対して、インプラントのデザインが及ぼす影響は埋入部の骨質に依存せず、ブローネマルクインプラントとFrialitインプラントの両方で、インプラントの初期固定に関する、明白な特性が示された。Periotest測定値は、階段状Frialit synchroスクリューのほうが(P0.014)、初期固定は優れていた事を示したのに対し、RFAではブローネマルクインプラントにてより高い安定性が示された。(P=0.044

インプラントの初期固定に対して、インプラントの長さが及ぼす影響については、一定の骨質では、インプラントが長いほど、安定性の値はより高かった。しかし、これらの相違が統計的有意であったのは、長さ11mmのインプラントについてのみであり、骨質の統合サンプル、または柔らかい骨ブロック単独のいずれかについてのみで、硬い骨ブロックについては、統計的有意ではなかった。インプラントの初期固定に対して、インプラントの径が及ぼす影響については、柔らかい骨でのPeriotestでは、最も細いインプラントで、他の太さのインプラントよりも低い安定性の値が示された。(Pく0.0001)この作用はOstell測定でも認められたが、統計的有意には達しなかった。(P0.054)全ての径のインプラントを統合的に考察したところostell装置では2個の骨質を差異化できたが、periotestでは、それは出来なかった(P=0.80

結論

インプラントの安定性に関する評価のアウトカムは、骨質や骨の表面形状などの環境的要素に依存するため口内の異なる領域に埋入されるインプラントの、安定性の比較、患者集団全体での比較も避けられるべきである。2本の独立したインプラントの安定性を比較するのに、periotest,osstell装置を利用する事は筆者らは勧めない