表題:ヒトに連続的に埋入したジルコニア歯科用インプラント831本の5年成功率。
3種類の粗造面を比較する
著者:JOMI,2010,25,336-344 Josep Olivia等
目的:3種類の表面C、UC,ICEを伴うジルコニアインプラントの5年成功率を評価する
材料と方法:
本前向き研究には、歯牙の置換を必要としていた18-80歳の患者を含めた。除外は、喫煙者(1日10本以上)、妊婦、授乳婦、口腔外科手術にとって禁忌であると思われる、疾病、または健康状態を有していた患者
インプラントは3種類の表面を有するワンピースのジルコニア歯科用インプラントを、特別に設計し作製。UCインプラント:特別なダイヤモンドウイールで機械的に研磨し、顕著な粗造面を得た。Cインプラント:安定生体活性セラミックコーティングでコーティングした。ICEインプラント:酸エッチングした。異なる適応症に応じて5種類のインプラントデザインを作製した。最終修復物の装着後は患者を1,3,6,12ヶ月後と2,3,4,5年後に追跡観察した。動揺、痛み、インプラント周囲粘膜炎、インプラント周囲骨喪失及びインプラントの破折が起きなかった場合、成功とみなした。
結果
成功率はUC群92.77%C 群93.57%ICE群97.60%であった。UC群ICEの相違もC 群とICE群の相違も統計的有意であった。スクリューインプラント(タイプ11,21,12,16)とタップドインプラント(タイプ14)の生着率は有意に異なっていなった。インプラントの破折は認められなかった。
ICE表面群の成功率は他2個の群で得られたそれらよりも有意に優れていた。またICE表面は最も高い粗造面を有していた。このことがこの表面にて、臨床的に優れた業績が示された理由であった可能性がある。
また、著者らは、長さが12mmのCeraRootインプラントタイプ11を機械的に試験した。12本のインプラントを30度の角度で、動的荷重(インプラント8本)、静的荷重について(インプラント4本)試験した。インプラント破損時の静的荷重は2185-2,948Nであった。500万サイクルにおける、破損なしの動的荷重は1800-2200Nであった。
結論:本5年研究の制限内でceraRootジルコニアインプラントの機械的特性は、歯科用インプラントに適し、それは長期の成功を伴う、歯牙置換のための好ましい選択肢であると考えられる。