インプラント周囲炎の外科的再生治療後における臨床アウトカムに対して、 欠損の形状が及ぼす影響

Impact of defect configuration on the clinical outcome following surgical regenerative therapy of peri-implantitis
著者 Frank Schwarz 等
はじめに
インプラント周囲炎の治療に関して、非外科的な治療と比較し、外科的(再生治療)の方が予知的であると報告されてきた。しかし、骨欠損の形態が及ぼす影響については考慮されてこなかった。
目的
天然骨ミネラル+コラーゲンメンブレン(NBM+CM)を用いて、インプラント周囲炎欠損を外科的に再生治療した後の、臨床アウトカムに対して、欠損形状が及ぼす影響を調べる事。 
(クラスⅠb、クラスⅠc、クラスⅠe 欠損)
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材料と方法
中等度~重度の歯周炎 
27名(それぞれが1本のインプラントを有していた)27本のインプラント 
男:3 女:24
平均年齢48.5±14.6歳 
取り込み基準 
① 臨床的に、レントゲン像上で、プロービングデプスが6mmを超え、骨内コンポーネントは3mmを超えていたことが発見された 
ClassⅠb欠損形態(インプラントボディーの半分に至る、半全周性骨吸収+頬側面裂開)
ClassⅠc欠損形態(舌側面緻密骨は維持されながらの全周性骨吸収+頬側面裂開)
ClassⅠe欠損形態(頬側面と前庭面の緻密骨は維持されながらの全周性骨吸収) 
認められる1本以上のスクリュータイプチタンインプラントの存在 
② 1mm以下のClassⅡ 
③ インプラントの動揺の欠如 
④ ギャップを伴わない一歯修復物とブリッジ 
⑤ 咬合荷重の証明の欠如 
⑥ インプラント周囲における角化粘膜の存在 
⑦ 慢性歯周炎が治療済みであることと、正しい歯周メインテナンスケア 
⑧ 良好な口腔衛生、全身疾患の欠如(HbA1c7以上、骨粗鬆症、ビスフォスフォネート製剤) 
⑨ 非喫煙、又は10/1未満の軽度喫煙者 
術式
外科的再生治療の4週間前にEr:YAGを用いて除染を行った。
外科的再生治療は、不良肉芽組織の除去、BioOss、BioGideを用いノンサブマージを行った。
結果
術後の治癒は全般的に問題無しと判断された。
結論
インプラント周囲炎欠損の、外科的再生治療後における臨床アウトカムに、欠損の形状は影響しる。 
天然骨ミネラル+コラーゲンメンブレン(NBM+CM)を用いた時に、クラスⅠe 欠損はは有望であると思われ るが、クラスⅠb、クラスⅠcは、不良とみなされうる。 
実用的意義 
欠損の形態は、 NBM+CMを用いてのインプラント周囲炎の外科的再生治療後におけるアウトカムに、 影響する可能性がある臨床パラメーターと、みなしうる。 
出典
The International Journal of Oral & Maxillofacial Implants